眞邉一近教授

「動物の飼育をするにも“装置”に凝る方なんです」

Q.オフラインについて
 熱海で合宿をやったり,私の生まれ故郷である屋久島の縄文杉登山に行ったりしています。温泉に入りながら,あるいはみんなでリュックを背負って和気あいあいと話しながら山登りをして,普段とは違うふれあいが出来ましたね。よりゼミのメンバーの結束が高まったように感じます。ただ,基本は,市ヶ谷での面接ゼミと,自宅からのサイバーゼミです。面接ゼミの後は,飲み会をやって,そこで親睦を図るっていうのは一番大切なことなんですけれども。ゼミ生のHPをご覧になると,そこでの様子がわかりますよ。

Q.趣味についてお聞かせください。
 研究でも,ハトやサルやセキセイインコなど動物を相手にしていたこともあって,趣味も,生き物の飼育ですね。最近は,かなり変わった生き物を飼っています。これが,あまりマニアックな印象をもたれると困るのですが,ヤドクガエルといって,インディオが矢じりの先にそのカエルの毒を塗って狩りに使っていたカエルです。かなり綺麗なカエルですよ。人工飼育下ですと毒はなくなります。これを自宅の居間で飼っているのですが,90cm水槽を改造して中に苔や蘭などの植物を植えて,いわゆるビバリウムを作っています。緑が豊かな自然の一部を切り出してきたような感じで,部屋が和みますね。生まれ故郷の屋久島の苔むした原生林を思い出したりもします。「もののけ姫」の世界です。研究でも音声認識装置とか作っていたように,この飼育設備にも凝っています。話が飛びますが,小鳥の鳴き声を条件づけをするためには,人がいちいち聞いて,特定の鳴き方をしたかどうかとやってたんでは恣意的で科学的ではなくなってしまうんですね。そこでそれを実験としてやるためには機械にやらせる必要があるわけです。それをパソコンを使ってトリ用の音声認識システムを作ったりとか,トリがどのように動くかを 自動認識させる画像処理装置を作ったりとか。新しい実験をやるときには新しい装置・システムを作るなど,装置作成も趣味の一つです。このビバリウムは,1日に6回ほど自動的に雨が降ります(笑)。休日など,手入れをしたり,眺めていたりすると,気分が落ち着いてストレス解消になりますね。
 あとは,まぁ,装置だけではなく,モノを作るのが好きで,ここに来る前にいたところはネクタイをつけなきゃいけないということがあって,それでタイタックつけるでしょ?タイピンでもいいんですけど。それも買うと高いし,売ってるモノはあんまりオリジナリティがないから,自分で作っちゃえというんでいろんなものを作ってました。この趣味を活かして,コンパの景品や,修了生への記念品代わりに手作りのピンやタイタックを毎年提供しています。実際に作ったものの一部は,私の個人のホームページで見ることが出来ます。

Q.休日はどのように過ごされますか?
 メール対応(笑) ただ,メール対応ばかりしていると健康に良くないので,最近,山登りや近くの多摩川への散歩を始めました。その時に撮影した風景や渡り鳥の写真をホームページに掲載しています。

Q.志望者に向けて一言お願いします
 テーマは自分がホントに問題と思っているもの,あるいは関心があるもので,それはなんでもかまいません。こういうテーマでなくてはいけない,というのは一切ありません。それを自分で科学的に証明したりとか研究したりとか,そういう方であればどなたでもかまいません。  ここ通信制の大学院に入られる方っていうのは,やりたいって気持ちが強い。もちろん忙しい中でもそういうことを一生懸命やられてます。ところがみなさん持ってないのは,どうしたらいいか,そういうことをやりたいにしてもどうやっていいのかわからないということなので,その手助けをしてあげたいと思います。

Q.学問とは?
 好奇心の探求の結果,今にいたる,といったところです。
 いろんなことをやっていても,本人が面白いと感じるかどうか,ですよね。学生さんを指導していても,明らかにこちらのテーマのほうが修論書きやすいというのがあってもですね,ところが本人がそれを面白いと思わないと,やっぱりちゃんとしたものは書けないんですね。あれこれいろんなテーマを考えていって,非常に具体的なやり方をやってもそれがやってるうちに行き詰まってしまうといったことが多々あるわけです。そういう場合は原点に戻れ,っていつも言ってるんです。自分が一番最初に何が面白いと思ったのか,その最初の原点に戻ってもう一回スタートしなおせ,と。
 私にとっての学問とは,なにが自分にとって面白いのかということですね。それがたまたま心理学だったり,心理学の方法論,見方,あるいは哲学的だったりするのかもしれないんですが。