池上清子教授

「Critical Thinkingを目指して」

  Q.担当科目を教えてください。
 博士前期課程では,国際情報論特講,国際協力論特講と国際母子保健論特講を担当します。国際情報論特講では情報をどのようにとらえるのか,どのように発信できるのかを基本に,毎年,地球規模の課題を中心に,その課題の分析とその取り組みを考えます。個人と情報との関連,よりよい選択肢を考え,ものごとを俯瞰してから自分なりの分析を試みる視点を深めます。また,国際協力論特講では援助のあり方を基本に,援助に関わるプレーヤーや関係者を洗い出し,それぞれの特色や比較優位性,問題点とその解決法などを考えます。国際母子保健論特講ではグローバルヘルスの観点から母子の健康を捉えて,継続ケアを含む保健システムを考えます。 

Q.先生のゼミの特色・院生のテーマは?
 
自由闊達に意見を出し合うことを目指しています。それは,国際社会でも日本国内でも通用するような,critical thinkingができる力を養うためです。これは,学生の一人ひとりが多面的に,かつ,自分なりの物差しや視点を持って考えることができる力です。日本国内の課題も,その多くはグローバルな社会との関連があります。そこで,テーマとしては,地球規模的な課題,特に開発,ジェンダー,人権といった分野横断的な領域から,国際保健,環境と開発,個人と社会,市民社会(NGO/NPO)などの専門的な領域までを含みます。テーマに共通しているのは,公平という考え方です。公平と平等の違い,貧困と格差,市民社会の持つ可能性,などを軸にして,具体的に現状課題を解決するための提案を探ることを目指します。

Q.先生の研究テーマについてお聞かせください。
 
一人ひとりが自分で考えて選択できる能力を持つ,という個人の視点(ミクロの視点)が研究テーマの基本になっています。個人の選択,特に,リプロダクティブ・ヘルス/ライツは常に先進国と開発途上国とに,その内容は違っていても,概念的には共通課題でもあり,保健医療の分野のみならず,政治理念,労働環境,法的整備,社会的価値観とも深く関連しています。また,リプロダクティブ・ヘルス/ライツは国際的にまだ,20年にも満たない新しい考え方です。国際社会が抱える,今の問題であり現代社会の問題ですから,国際社会の動向を注視しながらの研究ともいえます。参考論文がないとか,手に入るのは国際社会が決める条約・会議の最終成果文書のみということがありますので,先行研究がない分,チャレンジングでもあります。