岡山敬二准教授

Q.先生の経歴について教えてください
 哲学を専門に勉強しはじめたのは,大学を卒業して,その後しばらくぶらぶらしたあと,大学院に入ってからのことです。ある哲学者の言葉に触れ,なぜだか,それをどうしても理解したくなったのがきっかけだったのですが,その哲学者が書いたものはもちろん,入門・解説書のたぐいを読み漁ってみても,何を言っているのかさっぱりでした。これをわかるためには大学院に入り,しかるべき先生に専門的な教えを請わねばならないと思ったのです。
 かれこれそれなりに長く哲学というものを勉強していますが,哲学とはいったい何なのか,いまだに雲をつかむようなもどかしさをひきずっています。物心ついたころから,ふとしたとき,漠然とではありますが,人生というものの「手に負えなさ」といいますか,なぜこの自分がいて,この世界があるのか,という茫洋とした気持ちに晒されることがあり,いまだにそう変わらないところもありますが,もしかしたら,その気持ちに応えてくれる問いのあり方を気づかぬうちに哲学というものに求めていたのかもしれません。そう思えるようになって,またなんとも不思議な気持ちでいます。  

Q.インターネットを使った通信教育についてのご感想は?
 
通信教育は,講義やゼミの授業と違い,面と向かって,話を聴いたり,質問したり,議論や対話をすることはできません。その点で,意思疎通の面でのもどかしさや至らなさや誤解やすれ違い,といった不都合や不安も出てきますが,逆にいうと,いつでもそうした危険を意識し,それを避けなければならないという緊張した姿勢を維持できる絶好の機会ではないかと思われます。
理解し,問い,考えていたはずのことをうまく人に伝わる文章にすることによって,はじめて自分の理解や問いや考えが形になり,さらに考えが深まってゆくのだとしますと,むしろ,その能力を集中的かつ効果的に養えるのがインターネットを使った通信教育であるように思えます。