柴山英樹准教授

Q.先生の経歴について教えてください。
 私は,日本大学文理学部教育学科を卒業後,日本大学大学院文学研究科教育学専攻にて教育思想史を学びました。主たる研究関心は,シュタイナーの教育思想とその実践に関するものです。シュタイナーとの出会いは,「音楽」を介したものでした。学生時代に,子安ふみ氏の著書『私のミュンヘン日記―シュタイナー学校を卒業して』を読み,実際にその学校を訪れてみたのですが,そこは至る所から歌や演奏が流れてくる不思議な空間でした。この出会いがきっかけで,シュタイナー学校の音楽教育が卒業論文のテーマとなりました。
 大学院では,一つの概念について思想形成史や社会的・思想的背景と関連させて解釈することを学びました。シュタイナーの教育思想は現在でも受け継がれ,日本を含めて世界各地でその実践が展開されています。しかし,彼がその思想を主張したのは,20世紀初頭のことです。大学院生のとき,歴史的文脈のなかでシュタイナーの思想を読み解かなければならないと感じました。そのため,修士論文作成のときから,シュタイナーの教育を思想史的文脈に位置づけて相対化するという研究に取り組んできました。
 また,子どもが他者や世界とのかかわりをどのように探究していくのかということに関心があり,音楽のみならず,アートやメディア,言語と教育の関係についても研究を行ってきました。現在もその研究を進めつつ,教育実践のなかでどう具体化して展開するのかを模索しております。

Q.インターネットを使った通信教育について,どのようにお考えですか?
 通信教育の魅力は,自分の学習時間を自分で確保し,自分自身の見方や考え方と向き合いながら,レポートなどを作成できる点だと考えております。電子メール等を活用したやりとりの場合も,時間や空間を気にせずに,じっくりと自分の考えを深めることができます。
 また,文字によるコミュニケーションは,自分の考えを整理し推敲しながら,相手に伝えるだけではなく,その記録を指導や学習の軌跡として把握できる点も魅力です。さらに,学習掲示板などの活用によって,複数の学生との情報の共有もできるでしょう。しかし,文字によるコミュニケーションは,対面とは異なり,相手の状況や文脈が十分に把握できないこともあり,意志疎通がスムーズに行かないこともあります。そのため,サイバーゼミのようなテレビ会議システムを活用して,顔の見える状況でのやりとりも考えております。
 ただし,通信教育の場合,共に考え,議論することのできる仲間の存在がとても重要です。そのため,時間や場所に拘束されることになりますが,共に考える仲間と対面的に対話する場をできるだけ多く設けたいです。お互いの問題意識を共有しながら,研究に取り組んでいくほしいと思っております。