呉川教授

「パソコン通信の時代から扱っていた私にとって通信教育は“鬼に金棒”です」

Q.インターネットを使った通信教育についての感想を聞かせてください
 インターネットがまだ普及されなかった「パソコン通信」の時代から遠隔地にいる人と通信し,コミュニケーションをとっていた私にとって,この大学院で行われている通信教育は,まさに「鬼に金棒」のようなものです。今から20年ほど前,インターネットがなかった時代,私はニフティサーブ内で仲間と一緒に「中国論壇」(中国フォーラム)を立ち上げ,そこで中国語を教えたことがあります。その経験を活かして,ビデオチャットを利用した遠隔授業などを行っています。通信教育の利点は,学生から何か質問があれば,ネットワークを利用して直接指導したり,eメールでのやりとりで,いつでも受け答えができることです。ただ文字のやりとりだけだと,誤解が生じやすくなりますし,人によっては,実際に相手の顔を見ないと不安になるという方もいると思います。ですが,現在のシステムなら,お互いが遠くに離れていても,目の前にいるような臨場感を持って指導を受けられるので,快適です。これこそが,サイバー大学院である本校の最大のメリットの一つではないでしょうか。

Q.休日の過ごし方と趣味について聞かせてください。
 普段は授業や学務に追われているため,休日はもっぱら原稿を書いていることが多いです。このような生活を続けていると家族に怒られてしまいますので,月に1回程度ですが,郊外の温泉へ行ったり,山登りなどに出かけます。休日くらいは,都会を離れて過ごしたいですからね。
 趣味は映画,音楽鑑賞です。世界各国の映画を観るのですが,色々な国の映画を観ることで,多様な言葉や生活を知ることができます。その国の文化も分かってきますから,勉強にもなります。音楽は,バイオリンなどの楽器が好きで,演奏会に足を運ぶこともあります。

Q.志望者に向けて、一言お願いします。
 私が指導する科目は中国関連の科目なので,例えば中国の映画を観たり歌を聴いたり,あるいは中国へ旅行するなどして,肌で中国の言葉と文化に触れる機会をたくさん増やしてほしいですね。本や文献を読むだけが勉強ではありませんから。実際に体感してその生活スタイルや文化などを,直に感じることが大事だと思います。というのも,中国では,中国の言語文化についての研究書は多く出版されているけれども,日本語に訳されているものはまだまだ少ないのが現状です。ちょっと難しいかもしれませんが,できれば,中国語で書かれた原著を読んで,それを元に研究してほしいですね。ある程度言葉がわかると,研究も楽になります。私は北京生まれの北京育ちで中国語のネイティブスピーカーなので,中国語で分からないところは,質問をしてもらえれば答えます。そのため,研究を行いつつも語学の勉強も図れるので,まさに「一石二鳥」ではないでしょうか。
  質問はどんどんしてもらえるとうれしいですね。中国言語文化研究だけでなく,興味を持ったことならなんでもいいです。中国語には「教学相長」(教える側と学ぶ側はともに成長する)という言葉があります。私にとって,教えること自体が勉強となるので,学生と共に成長していけますから。皆さんが多くを学ぶために,私もしっかり学んで答えられるよう努力していこうと思います。

Q.先生にとっての学問とは?
 難しい質問ですね。一言でいうならば,自分の人生の一部でしょうか。私にとって,研究は楽しいことで,もう研究なしの生活は考えられません。そういった楽しみがなくなると,人生はつまらないですからね。それに,日ごろ研究の成果を学生や多くの方々と共有するのも私にとって大きな楽しみです。そう思って教壇に立ったり講演会でお話ししたりするのも楽しくなります。